ここがすごいよSaintSnow
1期終了の時点でのSaintSnowの評価があまりにも低いのではというお話
以前の記事ではAqoursが成長していく度に比較対象とされていたSaintSnowだが、彼女らにもちゃんと筋の通った言い分があるということをあえて今語ってみようかと思う
まずはじめに誤解して欲しくないのは、ラブライブ!でのµ’sとA-RISEの関係と、サンシャイン!!でのAqoursとSaintSnowの関係は全くもって別であること
意外と「ライバル枠」という括りで同じように考える人が多い
だがSaintSnowとA-RISEを同じライバル枠として考えるのは違う
何故ならA-RISEはµ’sにとって「目指すべき憧れ、超えなきゃいけない目標」だったのに対し、SaintSnowはAqoursにとって「目的はどうであれ同じくスクールアイドルとして凌ぎ合うライバル」だからである
そこの区別をまずしていただきたい
次に個人的に自分にこのSaintSnowのセリフを見てほしい
µ’sやA-RISEの何が凄いのか、何が違うのか考えたことがある。
答えは見つからなかった。
ただ、勝って追いついて同じ景色を見るしかないのかもしれない
これは12話のUTXでのワンシーンである
僕はこの発言を聞いて、Aqoursとはまた違った考え方だなと率直に思った
「勝ちたい」が先行し過ぎているという意見を多く見るが、僕は「勝ちたい」の先にある「µ’sやA-RISEと同じ景色がみてみたい」こそ評価すべきだと思う
彼女たちの最終目標は「勝つこと」ではなく、µ’sやA-RISEと同じ目線に立つことである
「勝つこと」をµ’sやA-RISEのことを理解するための過程として考えるのは、Aqoursが0を1にするために勝つこと以外から何かを得ようとしたことと同じように尊重されるべきではないか
そもそも「勝ち」にこだわるのは本当に悪いことなのか
作中でのラブライブ大会は大会としている以上どこかで優劣をつける必要が出てくる
ではその優劣をつけるものはなんだろう
作中のラブライブ大会について明らかにされていない部分が多いので断定は出来ないが、恐らく基本的には観客や視聴者の投票というシステムだと思われる
スクールアイドルは何をするものか と考えるとやはり観客や視聴者という"人間"が評価するものでほぼ間違いないだろう
場合によってはその道のプロが審査員という可能性もあるが人間が評価することに変わりはない
では人間に支持される「勝てる」スクールアイドルとは一体なんだろう
それは人を惹きつける力ではないか
人を惹きつける力、つまり見るものを楽しませるパフォーマンスをするグループが1番スクールアイドルとして強い
そして1番強い=1番観客を惹きつけるグループが優勝するのが自然だろう
「勝つことを大切にする」ということを、勝負にこだわってスクールアイドルに大切な人を楽しませることを御座なりにしている と勘違いする人がいるが、むしろ「勝つため」に観客を楽しませるパフォーマンスを意識しているはずである
ってか、「大会」という順位をつける場所で1つでも上を狙いにいくのは自然でしょ
これは超個人的な考えなのでスルーしてもらっていいんですけど、「結果よりも過程が大切」
とか「順位が全てじゃない」という言葉は決して間違ってはないと思うんですけど、それでもそれは勝った人間が言うから意味のあるもので、負けた人間が言っても負け惜しみにしか聞こえないんですよね
過程も大切だけど結果はもっと大切
もっと言うとSaintSnowはその結果すらも憧れた人達を理解するための過程と考えた
SaintSnowはそんな2人
彼女らを知るうえで注目したいシーンがもう一つある
もし、µ’sのようにラブライブを目指しているのなら、諦めた方がいいかもしれない
これは8話で0票という結果にショックを受けるAqoursに対して放った言葉だ
一見Aqoursに対して「諦めろ」 と言いたげな発言に聞こえるがよく考えてみて欲しい
わざわざµ’sの名前を出したのは何故か?
ラブライブ優勝は無理だ と突き放すのなら別にµ’sの名前を出す必要はない
AqoursとSaintSnowはこの時が初対面(正確には前日に神田明神で会っているが)なので、当然ながらAqoursがµ’sのようになりたいと思っていることは知る由もない
では、
何故μ'sの名前を出した?
何故出すことが出来た?
Aqoursの当日のパフォーマンスもしくはネットで公開されているAqoursのPVを見た結果「µ’sに憧れている」と判断したと考えるのが普通だろう
これは個人的な解釈だが、SaintSnow自身もµ’sやA-RISEのように という考えがあったのでAqoursのパフォーマンスがµ’sの影響を受けていることに気づいたのかもしれない
もしくは過去に自分たちもµ’sやA-RISEの影響を受けたパフォーマンスをしていたことがあるが故の理解かもしれない
いずれにしてもAqoursがµ’sを意識した(もしくは無意識に影響を受けている)パフォーマンスをしているのに気づいたSaintSnowが言った「µ’sのように~」は、「諦めろ」では無く「µ’sと同じことをしていてもラブライブで優勝は出来ない」という彼女らなりのアドバイスなんじゃないかと思う
僕は以前の記事で、サンシャイン1期の物語はAqoursのµ’s依存からの脱却、スタートラインに立って一歩踏み出す物語だと言った
Aqoursがµ’s依存から脱却出来た要素の一つとして、このSaintSnowからのアドバイスが関係していると考えて間違いはないと思う
Aqoursに進みべき道のヒントを与えたSaintSnowはしっかりと評価されるべきだろう
ここまでSaintSnowを徹底的に擁護してきたが、やはり多くの人間が言うように落ち度はある
それは、スクールアイドルとして自分たちが楽しむこと を忘れているのだ
上で書いたように、ラブライブ勝つために観客を楽しませるパフォーマンスをしなくちゃいけない ということは彼女らの頭の中にもしっかりとあるだろう
しかし、もう一つ重要な「自分自身が楽しむこと」はどこか置き去りにされているように感じる
ただ、AqoursもSaintSnowも15〜18歳の少女から構成された高校生のユニットなのだから完璧を求めるのは間違っているだろう
Aqoursが1期を通して考え方を変えて成長していったように、SaintSnowも2期でAqoursや他のスクールアイドルと共に高みを目指す過程で新しい考え方に出会って成長していけばいい
AqoursはSaintSnowに出会ったことで進むべき道のヒントを得たのだから、SaintSnowだってAqoursから何かを感じて自然と成長出来るはずだ
最後に、アニメ2期AqoursだけでなくSaintSnowの成長にも目を向けて見てくれる人が増えると嬉しいな と思いつつこの記事を締めます
ここまで読んで頂いた方に感謝を込めて
陽詩